今回は、PEPPOL接続を検討されているソフトウェア企業様向けに、Storecove APIを用いて簡単にアクセスポイント機能を利用する方法の概要をご紹介、そしてPEPPOLに接続する意義について考察してみたいと思います。
目次
1. まず初めにPEPPOLアクセスポイントについておさらい
こちらの記事で、アクセスポイントの概要について解説しました。
- PEPPOLアクセスポイントとは、PEPPOLへの接続を担う事業者又はその機能のことを指す
- 送信企業、受信企業とPEPPOLネットワークの間に入って、請求書データのやり取りを行う中継点となる
- ユーザー企業はPEPPOLを通じたデジタルインボイスの送受信には必ずアクセスポイントを経由する必要がある。
- アクセスポイントは認証制となっており、所定の手続きを経て認定アクセスポイント事業者として登録可能。
PEPPOLアクセスポイントは一般的に以下の役割をもっています。
- ソフトウェアとPEPPOLネットワークの接続
- ソフトウェアのエンドユーザーと、世界中のPEPPOL利用事業者のサーチ
- ソフトウェアのエンドユーザーによるデジタルインボイスの送受信
2.PEPPOLアクセスポイントになる方法
まず初めに、PEPPOL Authorityから認定を受ける必要があります。
各国のPEPPOL Authority(管理局)が定める手続に従う必要があり、詳しくはデジタル庁のウェブサイトに記載されていますのでそちらをご参照ください。
この認定は誰でもすぐに受けれるものではなく、PEPPOLの仕様を理解し技術的にアクセスポイントとしての機能を提供できることを、PEPPOL Authorityに実証しなければなりません。
この認定を受ける過程でテスト環境への実装がなされるかもしれませんが、エンドユーザー向けにPEPPOLのデジタルインボイスの送受信機能を提供するためには、本番環境への実装、継続的なメンテナンスといった対応も必要となります。
3.Storecove APIを使う場合
こちらの記事にも記載した通り、Storecove APIはPEPPOL接続への手間を軽減できるサービスです。
Storecove APIは”Access-Point as a Service”又は”White Label Access-Point”であり、PEPPOL接続及び運用のための労力を最小限に、簡単にアクセスポイントとしての機能をエンドユーザー向けにご提供いただけるようになります。
なおこの場合、ソフトウェア事業者様が個別に認証を得なければ、あくまでStorecoveがアクセスポイントとなります。逆に言えば、Storecove APIを利用してアクセスポイントの機能をソフトウェアに実装した場合でも、所定の認証手続をを得ていれば認定アクセスポイント事業者として登録が可能です。
Storecoveは、本社所在国のオランダを通じてCertified Access Pointとして登録済みであり、日本においてもデジタル庁における受付が開始され次第、必要な認証を得る、あるいは登録手続を行う予定です。
Storecove APIを使って、アクセスポイントの機能を利用するには、例えばサンドボックス環境を利用して請求書の送信をテストするのであれば、以下のステップで完結します。
- アカウントの作成
- API Keyの生成
- Legal Entityの登録
- Peppol Identifier (ID)の登録
- テスト用の請求書の送信
※ API Key生成画面のサンプル
詳細はぜひお問い合わせください。
4.そもそもなぜPEPPOL対応をする必要があるのか?
PEPPOLに接続するソフトウェアとして挙げられるのは、主に以下の様な機能を提供するソフトウェアやシステムです。
- 会計ソフト
- ERPシステム
- 請求書作成ソフト
- 請求書受領、支払管理ソフト
ではこれらのソフトウェアがPEPPOLに接続する意義はどんなものがあるのでしょうか。
(1) 顧客満足度の向上
一つ目の大きなポイントは、ソフトウエア提供企業様にとってエンドユーザーの満足度向上に繋がるという点です。デジタルインボイスによって請求書関連業務の効率化など、下記のような多くのメリットをエンドユーザーにもたらします。
- セキュリティーの高いネットワークにより請求書の送受信が可能となること
- 紙やPDFを介さずにシステムから直接PEPPOLを通じて請求データをやり取りできること
- これによって、より高度な自動化や業務効率化が図れること。
- 請求書関連業務に人間が介在する余地が減ることで、ヒューマンエラーや不正リスクの軽減につながること
- データ入力やチェック業務などの自動化を通じて、コスト削減につながること。
- 都度請求の場合、請求と支払のプロセスが早まり、より早く資金回収が可能となる可能性があること(日本においては、合計請求・締め日でのまとめての請求といった商習慣すら変えるものとなり得ると言えます)
PEPPOLへ接続するだけで、これらのベネフィットをエンドユーザーに提供できる基礎となります。
(2) 競争優位への寄与
PEPPOLが導入されている国であっても、PEPPOL利用者の増加やその認知度の上昇にも関わらず、全ての会計ソフトやERPシステムがPEPPOLへの接続に最初から対応しているわけではありません。
これはつまり、初期からPEPPOLに対応し、デジタルインボイスソリューションを提供できるということは、差別化及び競争優位につながる、ということでもあります。
上記のようにエンドユーザーにとって利便性の高いデジタルインボイスネットワークであるPEPPOLは、ネットワーク効果のある仕組みであるため、急速に広がるタイミングが必ず来るとみてよいでしょう。初期段階からPEPPOL対応しているということは、その時点で大きなアドバンテージになると考えられます。
(3) 新たな付加価値の提供、つまり収益拡大の機会
PEPPOL対応によってデジタルインボイスソリューションという新たな付加価値をエンドユーザーに提供することは、ソフトウェア事業者様にとっては収益拡大の機会となり得ます。他よりも早くPEPPOL対応することで、ARPUの向上の可能性のみならず、PEPPOL対応していることによる新規ユーザーの獲得の機会にも繋がる可能性も十分にあると言えます。
もちろん、PEPPOL対応のためのコストは無視できません。Storecoveは、APIによりアクセスポイントの機能を低コストで提供していますので、ご関心のある企業様はぜひお問い合わせください。
最後に
アクセスポイントについてより深く理解いただけたでしょうか。
PEPPOL接続のためのAPIのデモや、サンドボックス環境でのテスト、海外との取引への利用を検討してみたいという企業様は、是非下記からお問い合わせください。
メールでのお問い合わせはこちらまで(日本語可)。
japan@storecove.com
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