オーストラリアの政府機関であるPM&CによるPEPPOL利用事例と、Storecove採用の決め手

2020年11月、オーストラリアの政府機関であるDepartment of Prime Minister and Cabient (通称PM&C、日本の内閣府あるいは内閣官房に相当)は、2021年7月1日以降デジタルインボイスの利用を開始することが決定されました。 PM&Cでは、6社のPEPPOL関連サービスプロバイダーを選定し最終的にStorecoveが採用されました。PM&Cの財務システムマネージャーのTrent Smith氏にお話を伺いました。

ー PEPPOL利用のメリットや利点をどのように感じておられますか?

PEPPOLによるデジタルインボイスは、PDFのようなドキュメントファイルではなくデータファイルです。つまりPEPPOLから取得した請求情報は財務・会計システムのバックエンドに直接インポートすることができ、システムにデータを反映させる業務の自動化を図ることができ、プロセスの高速化につながります。これによって、買掛金担当者はデータ入力業務から解放されるだけでなく、より正確なデータが反映されるため、チェック作業も軽減されます。この結果、一日中データ入力やチェックに時間を使うより、もっと重要なタスクに時間を使うことができるようになりました。

またPEPPOLを気に入っているもう一つの理由は、ベンダーのなりすましリスクを軽減することができる点です。PEPPOLはデジタルインボイスの伝送手段でもあるので、ベンダー側(請求書発行者)の財務システムからも直接繋ぐことが可能だからでもあります。

ー Storecoveに決めたポイントは?

導入や利用開始までの早さ、将来的に選択結果の正しさを示すことができ利便性を享受できるか、という点です。 長期にわたってPEPPOL利用の価値を最大化できるようにすることが重要なポイントでした。

Storecoveがサポートするデジタルインボイスの形式やネットワークはとても多いので、仮にシステムを変更することになっても、Storecove経由で対応できるという点も重要なポイントです。

照合の自動化から、今後はSelf billing、発注書等の利用も視野に。

ー 現在どのようにStorecoveを利用していますか?(利用開始初期にインタビュー実施)

テスト環境での検証が終わった段階ですが、デジタルインボイスはメールにてPDFと一緒にXMLファイルを受信することで対応しています。このXMLファイル形式のデジタルインボイスを使うことで、受領請求書としてのデジタルインボイスのデータと、発注内容との照合プロセスの自動化が可能となりました。今後、本番環境にも展開する予定です。

Storecoveは、JSON API含め他のフォーマットも提供しているので、それらも利用していく予定です。

ー 今後のPEPPOLの利用や展開についてお聞かせください。

現在、PEPPOL利用のためのアップグレードプロジェクトが進行していますが、これが完了次第、現在受取側に注力しているものを、仕入先への請求書送信 (注: 日本で言う「仕入明細書」形式 =Self Billing) も展開していきたいと考えています。

さらには、PEPPOLは、請求書以外にも発注書や契約文書もカバーしているので、これらの利用も検討していきたいと考えています。

Storecoveを使ってみてテスト環境での送受信までの早さに驚き

ー Storecoveを選定するまでのプロセスについてはどのようなものでしたか?

PEPPOL関連のサービスプロバイダーから6社を選定し、デモをしてもらいました。プロバイダーによって導入方法、価格体系、あるいはソリューションそのもの、が異なっていましたが、実際にデモを見て触ってみてそれぞれのソリューションの違いが明確になりました。

ー 実際に使い始めてみていかがでしたか?

契約締結後からのテスト環境構築までの期間は驚くほど早かったです。数時間後に Storecove から稼働開始したという電子メールを受け取りました。本当に早くてびっくりしました。ログインして2 時間後には、テスト用デジタルインボイスを受け取りました。その後、2つのシェアードサービス拠点にも展開しましたが、同様に短時間で完了しました。

他の多くのソリューションの実装と同様に、何もなく進むということではありませんでしたが、問題点はそれほど多くはありませんでした。Storecove はこれらの問題に即座に取り組み、一晩で解決してくれました。そのため、私が出社した次の日の朝には、稼働していました。完璧と言える対応でした。

Storecoveのメリットのもう一つは、我々にとってとても良いことなのですが、PEPPOL を通して他の文書を送信することになった場合でも、追加料金が発生しない点です。これはすべて、サブスクリプション契約に含まれているモノなのです。Storecove がいかに素晴らしい企業であるかがよくわかりました

税務当局からも感謝の声をいただいています。

税務当局 (Australian Taxation Office ”ATO”)、デジタルインボイス/デジタル配信担当ディレクターのPerry Liolios氏からもメールで感謝の言葉をいただきました。

「ATOのデジタルインボイスチームを代表してStorecoveによる導入支援に感謝の意を表したいと思います。PM&Cからデジタルインボイス発行が可能になった旨の連絡を受けました。

さらに、PM&Cによるシェアードサービスアレンジメントを通じてオーストラリア先住民局、干ばつ・北クイーンズランド洪水対応復興局も追加され、政府機関合計9つにデジタルインボイスの利用が広がることになりました。

また、PM&CからはStorecoveのこれまでのソリューション導入に関する全体を通じて、とても評価していると聞いています。つまりStorecoveの導入は、迅速、簡単、かつ低コストであることが証明されたと言えます。」